THE戯言

Quitters never win. Winners never quit.

<雑感>衝撃のコラボレーション - ブラックサンダーがまさかのあの人とコラボ!

えー、このブログでは過去にブタメングミキングダムマンチョコジョジョキャンディなどのコラボものお菓子についての記事を度々紹介してきました。

今回の記事もその類の(しょうもない)ものです。

ただ、今日紹介するのは過去のどのコラボものよりも衝撃を受けました。とんでもないものを見てしまった、そんな気持ちです。

今日の帰宅途中にふらりと立ち寄った近所のファミリーマート。このお店では入り口入ってすぐのところにそのときのイチオシ商品が陳列されています。

ただ正直、ここに並べられているもので過去に実際に買ったものがあるかというと、パッと出てこない。それくらい私にとっては素通り率の高いコーナーでした。

今日も「あ、なんかまた新しいイチオシ商品が変わってるな」くらいにちらっと目をやる程度で、足は止めずそのまま通り過ぎるところでした。

が。一瞬視界に入ってきたものに対する何らかの強烈な違和感を覚えました。二度見不可避です。そして、そこで目に飛び込んできたものは私にとって一度目にしたならば必ずレジに持っていかざるを得ないようなものだったのです。

 

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海老蔵サンダー....!!!

 

『フランス産ミルクがリッチで候』と『チョコがリッチで候』の2つのパッケージ...!!!(味は同じなので注意)

なぜに海老蔵ブラックサンダーが?どういうつながり?と思いましたが、こちらの特設サイト(モバイル推奨)に答えが。

伝統芸能成田屋のファンクラブの名前がTHUNDER PARTY!というところからのご縁だそうです。

開発期間1年間だというから相当気合入っている一品だと言えます。もともとは歌舞伎座などの場所限定で9月から販売していたようですね。

満を持して10月1日から全国販売開始となったようです。

www.hochi.co.jp

まあ、これは人気出るでしょうし、コンビニで手軽に手に入るようになったら全国のファンは嬉しいんじゃないでしょうか。

 

いやあ、それにしてもあの成田屋がこんなコラボレーションをするとは。素直に驚きました。異色のコラボはニコニコ超歌舞伎で初音ミクとの見事な共演を重ねている中村獅童の専売特許かと思ってましたが、歌舞伎界のど真ん中にいる方がやるとは思ってもみませんでした。

あ、でもそもそもワンピース歌舞伎とかナルト歌舞伎とかやってるし歌舞伎界全体でそういうのありになってきているのかな。

ともあれ、こういう予想外の驚きをもたらしてくれることこそ『かぶき』だと思うので個人的には嬉しいです。どんどんやってほしい。

 

しかも特設サイトでは『#カブいていこう』のハッシュタグをつかったSNSでの動画投稿キャンペーンまで実施している。しかも見本としてすでに投稿されているものを見るとだいたいTik Tok。明らかに若年層を取り込もうとしている。その意気や.....よし!!

ebitoinazuma.jp

このキャンペーンちょっと面白いですね。みなさんも興味あったらぜひ動画投稿してみてくださいね。ブラックサンダー1年分当たるかもしれませんよ。

 

ちなみに気になるお値段は40円(税別)。通常版は30円(税別)なので、ちょっと値段あがってます。

まあコラボ相手が海老蔵ということを考えると通常版より値段が上がるのは当然と言えますが、10円しか上がってないと考えるのか、はたまた33%の値上がりと考えるのか。結構印象違いますね。個人的には安いと思います。

 

見かけたらぜひ試しに買ってみてくださいね。後悔はしないと思います。 

こんなネタなのに思ったより文章長くなってしまった....

有楽製菓 ブラックサンダー1本×20個

有楽製菓 ブラックサンダー1本×20個

 

この味は!ウソをついている『味』だぜ.... papabubble x JOJO

「ジョジョの奇妙な冒険 第6部 黄金の風」のアニメが10/6から放映開始となりますが、それを記念してアート・キャンディ・ショップ「papabubble/パパブブレ」とのコラボキャンディが発売されました。

prtimes.jp

 

新宿東口の直営店で数量限定発売ということで、発売日に急いで買いに行きました。

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無事に購入することができてよかったです。発売初日から結構並んでいる人が多かったので、もう少し遅かったら買い逃していたかもしれません。

 

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ジョジョ6部の主人公チームの各キャラクターのエンブレムをモチーフにした金太郎飴的フォルムのおしゃれなキャンディです。

左からブチャラティナランチャフーゴアバッキオ、ジョルノ、ミスタのエンブレムです。ジョルノとミスタがぱっと見わかりませんでした、ジョルノはてんとう虫、ミスタは帽子の額の部分のエンブレムになっています。

味はそれぞれ「ウソをついている『味』」、「マンゴー味」、「イチゴ味」、「グレープ味」、「レモン味」、「ラズベリー味」です。

それぞれフルーツの味がはっきりと感じられとても美味しいです。見た目だけでなく、味もちゃんと楽しめるという点でクオリティは非常に高いと感じました。

ちなみに「ウソをついている『味』」はグレープフルーツ味です。気になる方は白抜きの部分をドラッグしてみてください。

爽やかでスウィーティな味でした。

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ちなみにこんなのも入っていました。きっとこれがシークレットなのでしょう。これ以外にもパターンがありそうです。

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今回のコラボで初めてpapabubbleの存在を知りましたが、スペインのバルセロナ発祥のキャンディショップで、「世界一おもしろいお菓子屋さん」を目指して世界中に展開しているそうです。

店内には素晴らしいデザインの商品ばかりが並んでいます。インスタ映え間違いなし。

ちょっとしたプレゼントなんかにはすごくよさそうで、今後使おうと思いました。

 

 

www.papabubble.jp

でもこのサイトのつくりはちょっとどうなんだろう....左上のロゴをクリックすると動くということに気づくまでに結構時間かかったぞ。

特にスマホだとどこさわっても動きがないのでちょっと不安になりました。もうちょっとわかりやすいほうがといいと思うんですけどね。

 

11月にもまた新しいコラボ柄の商品が登場するということです。それもジョジョコラボなのかは明らかではありませんが、そちらも期待して待ちたいと思います。

 

それではみなさん、アリーヴェデルチ

UOMO(ウオモ) 2018年 10 月号 [雑誌]

UOMO(ウオモ) 2018年 10 月号 [雑誌]

 

『服を着るならこんなふうに』7巻を読んで買ってしまったアイテム2つ

『服を着るならこんなふうに』の7巻が発売されていました。

服を着るならこんなふうに (7) (単行本コミックス)

服を着るならこんなふうに (7) (単行本コミックス)

 

おしゃれに疎かった兄がファッションに詳しい妹から着こなしの基本を教わっていくというのが基本のストーリーとなっているマンガです。ブランドものの洋服ばかりではなくて、ユニクロや無印などのシンプルなアイテムの着こなしも紹介されているため、読んですぐ実践がしやすい内容になっています。そこまでファッションに興味がない私にとっては非常にありがたい作品です(笑)

ストーリーを楽しみながらファッションのセオリーを学べるというシリーズで、勉強になる上に単純に面白いため1巻から全て持っていますが、最小限の努力とお金でそれなりに整った着こなしができるようになるのでコストパフォーマンスはすごくいいと感じます。

ファッションにあんまり興味ないって人にこそ役立つ一冊と言えるでしょう。個人的にすごい重宝しています!

 

このシリーズには多くのアイテムが登場しますが、この7巻のなかで登場したスチームアイロンとスニーカーメンテアイテムセットがどうしても気になってしまい、即購入してしまいました。

実際にマンガの中に登場したのはパナソニックのスチーマーとジェイソンマークのスニーカーケアセットなので、私が購入したものはもう少し値段の安い別物です。

 なぜあえて別物を購入したかというと、スチームアイロンはAmazon's Choiceとしてレコメンドされていたからです。しかも値段が2000円代とお買い得。シューケア用品とあんまり値段の差がないということに驚きでした。

基本的にこれまでこのシリーズで紹介されるのはアパレルのみだったのでその場でAmazonポチーというのは起こり得なかったのですが、今回はやられてしまいましたね。

届いたら早速試してみたいと思います。

 

いやーしかし、買いたいと思った時にすぐ買えちゃうというのは恐ろしいですね。Amazon怖い。いや、自分の誘惑の弱さこそが怖い。無駄遣いしないように心がけないと....。

 

ちなみにこのマンガは『ヤングエースUP』というwebコミックサイトで連載しています。最新刊の続きもこちらで読めます。

スマート脳ドック体験してきました

最近話題になっているスマート脳ドックを受けてきました。

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以前にこちらの記事で簡単に紹介したこともありますが、ずっと気になっており健康診断を受けるついでにこちらで脳の検査もしてもらいました。

結論から言うと、素晴らしかったです!

2万円未満で脳のCT検査が受けられるという低価格も大きな魅力ですが、検査を受けるまでの手続きやプロセスが非常に簡単で効率的なのです。普通のクリニックや病院と比べて圧倒的に優れています。

予約から検査結果の受け取りは全てweb上で完結し、何度もクリニックに足を運ぶ必要がありません。当日も予約した時間にクリニックにいけばスッと案内してもらえ、20~30分ほどCT検査を受けておしまい。 

<予約日時を選択する画面>

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検査の案内をされるまで長い時間待たされるということもなく、スムーズなオペレーションで全くストレスを感じることがありませんでした。

支払い方法でクレジットカードを選択した場合、当日にお金を払うというステップさえありません。ちなみに決済方法は現金はもちろん楽天ペイも使用できます。

 

検査結果はメールで案内が届きます。予約時に作成した自分のアカウントへログインすると、「診断結果」から検査の結果を確認できます。

脳梗塞や脳腫瘍といった脳そのものに関する項目に加え、動脈瘤といった内容も検査対象としてカバーされています。

今回の検査の結果、とりあえず大きな異常はないということがわかったので一安心です。

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 撮影したCTの画像も検査結果と一緒に送られてくるのですが、自分の頭の中を覗くのはなかなか興味深いものです。とはいえ素人にはこれが何の写真なのか、どこに注目したらよいのかということがわからないので、何か一言写真の説明があると嬉しいなあと思うところがあります。

この検査結果ですが、クリニックではだいたい2週間くらいで結果が出ますと案内されていたのですが、実際に結果案内メールが来たのは検査を終えて4日目の夜でした。

木曜日の夕方に検査を受けて翌週の月曜の夜にメールが届いたので、実質2営業日で結果が返ってきたことになります。このスピードには驚きました。

あまりに早すぎて、感心するのと同時にちゃんと診てくれているのだろうかとちょっぴりに不安になったり...笑

検査結果に問題がなかった患者さんに対しては、あえてもう少し結果を送るのを遅らせても良いのかもしれないとか勝手なことを考えたりもしました。

 

健康な生活を送るにあたって脳は極めて重要な器官であるにも関わらず、なかなかしっかりとした検査を受ける機会は少ないと思います。

脳に関する病気は怖いので、できるだけ早期に発見できるよう今後は年に一度健康診断を受けるタイミングで継続的に検査を受けていこうかと考えています。

こちらのクリニックは銀座一丁目にありアクセスもよいので、興味のある方はぜひ体験してみてください。検査自体は短時間で終わるので、会社の昼休みだったり旅行で東京に来たついでに受けるということも十分可能だと思います。

 

こちらのクリニックのビジネス的な側面について興味のある方はこちらの記事をどうぞ。

<短文>長生きをしたければ<雑感>

結局どうしたらよいのか....。 

長生きしたければのどを鍛えなさい (SB新書)

長生きしたければのどを鍛えなさい (SB新書)

 
長生きしたければ卵をしっかり食べなさい 卵は身近な 頼れるサプリメント (マンガでわかる! シリーズ)

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長生きしたければ座りすぎをやめなさい

長生きしたければ座りすぎをやめなさい

 

 

なんとなく下半身をケアしろ系が多いのが気になる。

長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい (健康プレミアムシリーズ)

長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい (健康プレミアムシリーズ)

 
長生きしたければ 足首をもみなさい (COSMIC MOOK)

長生きしたければ 足首をもみなさい (COSMIC MOOK)

 

 

本屋に行くと「健康・ライフ」カテゴリの棚にこういう「長生きしたければ」系の本が多く並んでいるのを目にする。が、こういう本にお金と時間を費やす価値があるかは正直疑問に思う。

それは主張されている内容に多少の理ははあったとして、それだけを続けて本当に長寿に効果があるとは思えない。ふくらはぎを揉み続けて長生きした人がいたとして、その人は別に何もしなくとも普通に長生きしたのではないかと思ってしまう。

こういうエセ科学(科学ですらないかもしれない。どちらかというと信仰?)的な本が本屋に多く並んでいて、しかもそれが売れ筋になっていたりするのを見るとちょっと不安になる。昔、TVでも健康になる食品を毎週取り上げる番組が多く、その網羅性に結局何を食べても身体にいいんじゃないかと子供ながらに思った記憶が蘇った。

 

個人的にはこういう本を100冊読んで実行するよりも、ホリエモンの健康本を1冊読んで予防医療に力を入れた方がよほど効果的と思う。少なくともこちらは科学的に効果があると立証された内容が紹介されている。

誰もが長生きをしたいと思っているが、人生で使えるリソース(時間やお金)は有限だ。自分の貴重なリソースを無駄にしない為にも、何が信頼できて何が信頼できないのかを見極めるのは非常に重要だなと、今日本屋に寄って改めて感じた。

 

*このようなゴミ記事を量産するのはリソースの無駄なのではというご指摘はありがたく無視させていただきます。

 

Google Homeでテレビやエアコンを操作できるようにしてみた - Nature Remo

いつの間にかNature Remoに「スマートスピーカー連携」がデフォルトメニューで登場していました。

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今までは正式にサポートしてなかったのでIFTTTを使って無理やりテレビやエアコンを操作できるようにしていましたが、うまく動かないときがあってちょっとストレスだったんですよね。

「リビングの電気つけて」と言っても「そのライトは対応していません」とか返される時も少なくなかったし。IFTTTで設定する音声コマンドちょっと工夫しないとデフォルトでGoogle Homeに内蔵されているコマンドとハレーション起こしてたんでしょうね。Homeはもともと最初からHUEのようなスマートライトと連携してましたし。

 

そもそもNature Remoとは家電をインターネットに繋げることでスマホなどで操作できるようになるスマートリモコンデバイスです。本体にテレビやエアコンなどの家電のリモコンの赤外線を記憶させて制御するという仕組みです。

Nature Remo

Nature Remo

 

 

正式サポートされるようになったのならと、早速連携してみることにしました。手順も簡単でHomeアプリから一瞬で設定できますし。

これによってだいぶ快適になりました。さすが正式サポートともなると正確に作動するようになりストレスフリーです。

 

次は「室温がxx℃以上になったらエアコンをつける」といった条件ベースの制御も試してみたいと思います。

 

この「エリアに入る」「エリアに出る」機能が便利そうですよね。うまく使えば帰宅時にリビングが蒸し暑いという地獄から解放されそうです。

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最近は暑くてクーラーをフル稼働させているので、こちらでより便利な使い方ができないかいろいろ試してみたいと思います。

 

Nature Remoは全体的にはすごいいいんですけど、セットアップが大変なところはちょっと改善してほしいですね。。。

なかなかWiFiネットワークと接続してくれず、すごいイライラしました。指示通りにやっているのですが何が問題でうまく行かないのかわからずストレスでしたね。最終的にはなんとかセットアップ完了しましたが、これも結構長い時間粘って半ば諦めかけてアプリを閉じようとした瞬間になんとなくできてたというなんともスッキリしない感じでしたし.....

まあ商品リリース直後に買ったので、今のバージョンはそんなことないのかもしれませんが。

ここさえなければ満点の便利デバイスなんですけどね。

 

 Mini版も登場したらしいです。

スマートリモコン Nature Remo mini【Amazon Echo/Google Home対応】

スマートリモコン Nature Remo mini【Amazon Echo/Google Home対応】

 

あの戦争はどのように始まったか。終戦の日に思う - 朝、目覚めると、戦争が始まっていました

朝、目覚めると、戦争が始まっていました

朝、目覚めると、戦争が始まっていました

 

1941年12月8日早朝、日本がアメリカ、イギリスに宣戦布告し、そのまま戦闘状態へ。ここに太平洋戦争の火蓋が切られました。

本書は、当時の知識人、著名人が太平洋戦争の開戦日をどういう気持ちで迎えたのか、それぞれの自伝や日記、回顧録からまとめたものになります。作家、ジャーナリストを始め、思想家や政治家など著名な55名が日米開戦の一報をどのような気持ちで受け止めたのかを知れる一冊になっています。

今日8月15日は終戦記念日。メディアでは必ず追悼番組や特番が組まれます。私たちが戦争のことについて触れる際には、だいたい終戦や敗戦といった文脈で、戦争の悲惨さを伝えられることが多いように思います。

それに比べて、開戦の時はどのような空気だったのかを知る機会はあまりに少ないように感じます。本書は、開戦当時の日本の空気感を伝える貴重な一冊と言えるのではないかと思っています。

 

この本を読み進めていて意外に思ったのは、アメリカとの戦争が始まったことを伝えるニュースに対してポジティブな反応を示した人が多いことです。

ものすごく解放感がありました。パーッと天地が開けたほどの解放感でした。

吉本隆明 

 いよいよはじまつたかと思つた。何故か體ががくがく慄へた。ばんざあいと大聲で叫びながら駆け出したいやうな衝動も受けた。

新美南吉

 宣戦のみことのりの降ったをりの感激、せめてまう十年若くて、うけたまはらなかったことの、くちをしいほど、心をどりを覺えた。

ー 折口信夫

岡本太郎を始め、松岡洋右など、開戦に対して無念の意を表明した人たちもいないではないですが、その数は数えるばかりです。

あまりにもポジティブ派が多いように感じたので、受け取り方ごとにポジティブ派、中立派(特に感情表明をしていない人たち)、ネガティブ派と3タイプに分けて集計してみたところ、55名中ポジティブ派が26名、中立派21名、ネガティブ派8名という結果になりました。

当然この55名で日本全国民を代表できる訳もないのですが、それにしても開戦のニュースを喜びをもって迎えた人が多いことに驚きました。

ただ、これ以前の日本の戦争の歴史を鑑みると、日清戦争日露戦争第一次世界大戦と、戦果をあげてきた実績があります。第一次世界対戦の際には、大正バブルと呼ばれるほどの好景気を経験し、このときに富を手にした(戦争成金と呼ばれる)人たちも多くありました。それまでに本土が決戦圏になった経験もなければ、市井の人々は直接戦地に赴いたことがない限り戦争はどこか他人事のようなところがあったのかもしれません。

本書のラストには太宰治による短編小説がおさめられています。一般家庭の主婦の日記という体裁で、開戦の日に一般市民はどのような一日を送ったのかということが書かれています。実際に太宰が観察した様子がもとになっていると思いますが、そこからは戦争という大きな変化に高揚しながらも、食事の準備や買い物をこなし小さい我が子の面倒をみるというある種のんきとも思える姿が見えます。多くの人にとって、まだ当時は日常の延長という感じだったのでしょう。古川ロッパの日記をみても同じ空気が感じられます。

十一時起こされる。起しに来た女房が「いよいよ始まりましたよ。」と言ふ。日米ついに開戦。風呂へ入る、ラヂオが盛に軍歌を放送してゐる。・・・・・・

それから三時迄待たされ、三時から支度して、芝居小屋のセットへ入ったら、暫くして中止となる、ナンだい全く。

古川ロッパ 

 

すでに結果を知っている現在から振りかえって、当時の人たちの楽観的な様子を批判することはフェアではありません。誰にとっても未来を予測することは難しいです。そんななか、日米の実力を正確に把握し、今から見ればこの上なく正しい予測をしていた人がいることに驚きます。

今朝はハワイを奇襲した筈だ。僕の在任中山本五十六君を呼んで、日米戦についての意見を叩いたところ、彼は初めの一年はどうにか保ちこたえられるが、二年目からは全然勝算はない。故に軍人としては廟議一決し宣戦の大命降れば、ただ最善を尽くして御奉公するのみで、湊川出陣と同じだ、といつておつたが、山本君の気持としては緒戦に最大の勝利を挙げ、その後は政府の外交手腕発揮に待つというのが心底らしかった。それで山本君はそれとなくハワイ奇襲を仄めかしていたんですョ。

近衛文麿

 本朝刊ヲ見テ日米衝突ノ避ケ難キヲ感じ居リシ折柄、平井、古沢九時号外ヲ携エテ来訪、イヨイヨ開戦トナリシコトヲ知ル。来ルベキモノガ来リシマデニテ別二驚クコトナキモ、真二最后ノ階段に近ツキツゝアリ。予ハ予テ申シ居ル通リ最初ハ勿論勝利ヲ得レドモ終局ノ見エザルコトガ最大ノ癌ナリ。

ー真崎甚三郎

山本五十六も真崎甚三郎も軍人。軍部にも彼我の実力差を正確に見極められていた人たちが存在していたことは幸いですが、残念極まりないことに、彼らの不安は的中してしまうことになります。

 

受け止め方は人それぞれちょっとずつ違いがありますが、やはり多くの人がこの開戦のラジオ放送を聞き特別な思いを抱いたようです。「それまでの自分とは全く変わった」、「世界は一新された」、「単調な生活を打ち破って、輝かしい光が突き透った感じだった」....意識的にせよそうでないにせよ、皆この日が歴史の大きな変換点となるということを感じたということが本著から伝わってきます。そして、結果的にその感覚はは正しかったのです。この戦争は日本にとって紛れもない歴史の転換点となりました。

 

「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び...」で有名な、終戦を伝える玉音放送については知っていても、開戦を伝える放送を知っている人は少ないのではないでしょうか。「臨時ニュースを申し上げます」を三回繰り返して始まった、開戦を伝える朝7時のニュースを始めとして12月8日に放送されたラジオニュースの原稿も本書には掲載されています。日本の進軍と戦果を伝えるこの日のニュースを人々はどのように聞いていたのでしょうか。

 

あまりにも当然のことですが、終戦日があるということは必ず開戦日も存在します。これまであまりスポットライトが当たっていなかった開戦当時の市井の様子が感じられる本著は、先の大戦を新しい角度から理解するためには非常にいい一冊だろうと思います。

 

 

 

開戦時についての一冊を読んだ後はやはり終戦後の一冊も。厳しい環境を生き抜く人間のむせかえるようなエネルギーがいやというほど伝わってきます。

戦後ゼロ年 東京ブラックホール

戦後ゼロ年 東京ブラックホール