THE戯言

Quitters never win. Winners never quit.

Google Analyticsで自然検索キーワードを見る方法 - Google Search Consoleとの連携

すっかり忘れておりましたが、もともとこのブログを始めた目的の一つに「Google Analyticsに詳しくなる」というものがありました。

先ほどこのブログに設定しているGoogle AnalyticsGoogle Search Consoleを連携したので、その方法を紹介したいと思います。

これを行うと、Google Analyticsのレポートで、Google検索から自然流入してきた人がどんなキーワードで検索していたかを確認することができます。

下記のようなイメージです。

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検索キーワードごとに、クリック数、表示回数、クリック率、また平均掲載順位を確認することができます。このブログ、「ブタメングミ」で検索するとトップに出てくるんですね...。衝撃でした。

 

今回は、はてなブログを使用していることを前提にGoogle AnalyticsGoogle Search Consoleを連携する方法を紹介していきたいと思います。

*注意:このレポートで確認できるのはGoogleで検索されたワードのみとなります。Yahoo!などGoogle以外のエンジンで検索されたワードはレポートで取得できないことに注意です。

 

それでは早速見ていきましょう。

今回の目次です。

 

はてなブログGoogle Search Consoleを設定する

まずはGoogle Search Consoleへアクセスします。アクセス時にGoogleアカウントの認証が求められるのですが、ここはGoogle Analyticsと同じアカウントでログインしてください。

その後下記のような画面が表示されるので、赤枠で囲んだところにブログのURLを入力し、その隣の「プロパティを追加」ボタンをクリックします。

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次は入力したドメインの所有権を確認するページに移動します。

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 「おすすめの方法」としてはこのページからHTML確認ファイルをダウンロードし、自分のサイトにアップするという方法が紹介されています。

はてなブログを使用している場合は、「別の方法」タブをクリックします。

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 するとこのようなページが表示されるため、「HTMLタグ」を選択します。

<meta name="google-site-verification" content="aaaaaaaaaaaa" />

上記メタタグのaaaaaの部分(赤字部分)をコピーします。

 

次に、はてなブログの管理画面に移動し、「設定」→「詳細設定」から「解析ツール」の箇所に移動します。

「Googe Search Console (旧Google ウェブマスターツール)」の欄に、上記でコピーしたメタタグの部分を入力します。

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こちらに入力したら、ページ下部の「変更する」ボタンを忘れずにクリック。

これではてなブログ側の設定は完了です。

先ほどのGoogle Search Consoleに戻り、「私はロボットではありません」にチェックを入れ、「確認ボタン」をクリックします。

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 問題がなければ下記の画面が表示されます。これではてなブログに対してSearch Consoleの設定が完了しました。

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Google AnalyticsとSearch Consoleを連携する

ブログとSearch Consoleの紐付けが完了したら、いよいよGoogle AnalyticsとSearch Consoleの連携です。

Google Analyticsアカウントにログインし、「設定」→「プロパティ」から「Search Consoleを調整」をクリックします。

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その後、「Search Consoleの設定」画面から、「追加」のボタンをクリックします。

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その後遷移した先のページで、表示されているURLを確認します。

「Search Consoleのサイト」の欄に表示されているURLは、Search Consoleで確認済みであり、変更する権限のあるサイトであることを示しています。

URLに問題がなければチェックボックスにチェックを入れ、「保存」をクリックします。

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最後、「有効なビュー」を確認し、問題なければ「保存」をクリックします。

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 これで終了です!

Google Analyticsの管理画面から「集客」→「Search Console」→「検索クエリ」でユーザーがGoogleで検索したワードを確認することができます。

 

そもそもGoogle Search Consoleとは?

これについてはまた別に記事を書ければと思いますので、ここではGoogleのヘルプページにあるものを中心に簡単に紹介するに留めたいと思います。

ヘルプページにはこのように概要が紹介されています。

Google Search Console は、Google 検索結果でのサイトのパフォーマンスを監視、管理できる Google の無料サービスです。Search Console に登録しなくても Google 検索結果でサイトが表示されるようにすることはできますが、登録することで、サイトが Google にどのように認識されるかを確認し、検索結果でのサイトのパフォーマンスを最適化できるようになります。

 具体的にできることとしては、下記があげられています。

Google 検索結果でのサイトのパフォーマンスを監視できます。

  • Google が自分のコンテンツにアクセスできるよう確認する
  • クロール対象の新しいコンテンツを送信し、検索結果に表示したくないコンテンツを削除する
  • 人目を引く検索結果を提供するコンテンツを作成し、監視する 検索パフォーマンスへの影響を最小限に抑えながらサイトを維持する
  • マルウェアやスパムの問題を監視し、解決することでサイトを常に正常な状態に維持する

Google 検索や世界中のユーザーからサイトがどのように見えているかを知ることができます:

  • 自分のサイトがどのようなクエリで検索結果に表示されているか?
  • 一部のクエリが他のクエリよりも自分のサイトへのトラフィック増加につながっているか?
  • 商品の価格、会社の連絡先情報、イベントがリッチ検索結果で強調されているか?
  • どのサイトが自分のウェブサイトにリンクしているか?
  • モバイルサイトがモバイルで検索するユーザーに対して適切に表示されているか? 

ユーザーがどのようなワードを検索してあなたのサイトを訪れているかを確認できるようになれば、それを元にSEO施策に繋げることもできるようになります。

単純に、ユーザーの流入に繋がったワードを見るだけでも結構面白いので、ぜひ試してみてください。

 

 

Webプロジェクトを成功に導く 戦略的SEO思考

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ありがとうG1 CLIMAX!!夏の祭典閉幕

7/14から始まった新日本プロレスの夏の祭典、G1 CLIMAXが今日8/12、武道館で決勝戦を迎えました。

 

一ヶ月にも渡る過酷な戦いを勝ち抜き、今日の決勝に進んだのは棚橋弘至飯伏幸太

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35分にもおよぶ長時間の死闘を制したのは......

 

 

棚橋弘至!!!

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ハイフライフローを3連続で飯伏に叩き込むという怒涛のフィニッシュ!エースの底力を見せつけ見事G1で3度目の優勝を飾りました!!

 

飯伏ファンの私としては、今回こそ飯伏がやってくれるだろうと思っていました。

G1で優勝した選手は、毎年1月4日に行われるIWGPヘビー級王座戦に挑戦できます。そして今そのベルトを持っているのはケニー・オメガ

Bブロック最終戦でケニーに勝利した飯伏が棚橋を破りG1初制覇。そのまま2019年の1.4でケニー・オメガの持つベルトに挑戦。そこでケニーが飯伏を退けベルト防衛。飯伏とのシングルマッチにおいて 初めて勝利をおさめる....

と、こういうストーリーでいくだろうと。今また棚橋に1.4挑戦させるようなことはないだろうと。そう思っており、今年は飯伏の優勝間違いなしと期待に胸を躍らせておりました。

 

しかし、やはりプロレスはそう甘くはありませんでした。

 

エースの壁は厚かった。新日本プロレスを長年に渡って引っ張ってきた男の底力はやはり一筋縄ではいかないものでした。

 

正直、少し残念な気持ちはありますが、それよりもあのような素晴らしい死闘を見せてくれた両選手への感謝の気持ちの方がはるかに大きいです。何度も観たくなるような名勝負でした。どちらが勝っても優勝者にふさわしいと思わせる内容に心震えました。

これでまた棚橋がIWGP王者に返り咲くことはあるのでしょうか!?今日の試合を見る限り、その可能性は十分にありえると思います。かたや石井もケニーの持つIWGP挑戦表明をしており、今後の展開が楽しみで仕方ありません。

 

振り返ってみればあっという間のG1 CLIMAX。今年も多くの名勝負を見ることができました。出場した全選手にお疲れ様とありがとうと言いたいと心の底から思います。

今から来年のG1 CLIMAXも楽しみです!!!

 

 

とりあえず、来月には棚橋主演の映画「パパはわるものチャンピオン」がついに上映されるらしいので、これは絶対に観に行こうと思います。

 

新日本プロレス全面協力のこの映画、レスラーの多くが出演しています。

しかし、内藤とヒロムはもんじゃ屋の客って....ロスインゴはそれでいいのか。

絶対見にいかないと。

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登場人物|映画『パパはわるものチャンピオン』公式サイト

 

 

 

NEW WORLD 2 新日本プロレス公式ブック (新潮ムック)

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真夏の熱戦!! G1 CLIMAX 8.11大会@武道館

昨日、新日本プロレス真夏の祭典、G1 CLIMAXを観戦しに武道館まで行ってまいりました!

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G1 CLIMAXとは、20名の選手が2つのブロックに分かれ、それぞれ総当たりで約1ヶ月に渡って試合を繰り広げる夏の恒例イベントです。出場できるのはいずれもエース選手のみなので、どの試合を観ても面白いというファンにはたまらない大会なのです。短期間に何戦もこなさなければいけないので、選手にとっては本当に過酷だと思うのですが...。

www.g1climax.jp

 

昨日はBブロックの試合が行われる日で、Bブロックからの優勝決定戦出場選手が決まる日でした。Aブロックはすでにこの前日に棚橋選手が決勝進出を決めており、この日決まるBブロックの優勝決定戦出場選手と8/12(今日)にG1の決勝戦を戦うことになります。

結論から言うと名試合に次ぐ名試合!熱戦に次ぐ熱戦!で、今も興奮が止まりません。公式戦以外の5戦も含めハズレの試合ひとつもなし!いや、矢野vsタマ・トンガ戦はBULLET CLUB OGの乱入によってちょっと後味の悪いすっきりしない結果になってしまったことは否めませんが...。

前日に公式で警告が出ていたのにもかかわらず...彼らはいったい何がしたいのでしょうか?

それ以外は本当に素晴らしい試合の連続でした。

第5試合には本間選手が出場!これは嬉しかったです。復帰後のこけしがみれたのは本当に胸が熱くなりました。こけしを躱したオカダ選手に対し会場がブーイングが飛んでいたので、みんな同じ気持ちだったのではないでしょうか。

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公式戦も最高に熱い試合の連続で、どの試合でも選手の気合が入っているのが伝わってきました。ここではその盛り上がりを伝えきれないのが辛い。

 

ジュース・ロビンソン vs 後藤洋央紀

後藤が勝つと思ってたんですけどね...。やはりIWGP US王者のタイトルは軽くないということですね。後藤は終わってみればリーグ戦最下位タイなんですね。あの後藤でもこの成績というところにG1のレベルの高さが感じられます。ジュースのフライングクロスボディ美しかった。

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石井智宏 vs SANADA。

今年のG1では、私の中でSANADA選手の評価が爆上がりしました。正直これまではあまり注目していなかったのですが、このキレキレのムーブに目を奪われました。今後はちゃんとフォローしていきたいと思います。しかしそんなSANADAでも勝てないのが石井智宏という選手。序盤SANADAからチョップを散々浴びながらも意に介しないようなアピールをしてた時の顔がめちゃくちゃ怖かったです。石井選手の垂直落下式ブレーンバスターで決着。

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セミファイナルは内藤哲也 vs ザック・セイバーJr.

内藤、ゆっくりとしたリングイン。プラスなかなかコスチュームを脱がないw ザックが明らかにイライラしていました。内藤としてはまさに「トランキーロ」って感じだったのでしょう。ゴングと同時にザックが内藤を襲撃していきました。

それにしてもザックの関節技は綺麗ですよね。本当にどんなタイミングでもサブミッションに移行する技術に「嘘だろ?」と思ったことは少なくありません。内藤の得意技デスティーノも卍固めで返されてました。そんなことができるのはザックならでは。

内藤も一度返されて引き下がるわけにはいきません。再度デスティーノを狙い、今度はしっかりとザックをマットに突き刺しました。ロープを使ったDDTといい、内藤の技はアクロバティックで観ていて非常にスカッとするものが多くて好きです。

しかし、止めのデスティーノを堪えたザックが逆にザックドライバーをお見舞い。これがフィニッシュとなりました。

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そして最終戦。会場のボルテージはMAXです。

ケニー・オメガ vs 飯伏幸太

この日、どの試合も素晴らしいカードだったのですが、この試合に対する会場の期待はやはり格別でした。観客の多くも明らかにこのメインイベントを目当てにしていました。Golden LoversのTシャツを着ていた人をたくさん目にしました。

かつてGolden Loversというタッグを組んでいた2人。この2人のシングル戦は6年前に行われ、その時は飯伏の勝利に終わっています。しかしその後の6年で2人の立場には差が出てきてしまいました。ケニーがIWGPヘビー級のチャンピオンベルトを持つに至ったに比べ、飯伏はその評価の高さとは裏腹に無冠の状態が続きます。

今年に入り、BULLET CLUBとの内紛からケニーが襲撃を受けた際に飯伏が救出に現れて以来、今までなんとなく距離があった2人がまた急速に距離を縮めていったのを嬉しく思うファンも多かったでしょう。

そんななかでの2人の勝負。盛り上がらないわけがありませんでした!

 

タッグを組んでいたこともあり、お互いの手の内は知り尽くしている2人。勝つためにはそれを上回る攻めをしなければという気合があったのか、両者ともまるで容赦のない技の応酬が続きます。特に両者の打撃のエゲツなさは半端じゃありませんでした。

飯伏の得意ムーブであるミドルキック→ムーンサルトボディプレスもこの日はムーンサルトダブルニーへ変形。ケニーの胸部に飯伏の膝が突き刺さった時には会場にどよめきが走りました。あまりにもエグかった...。

ケニーも負けじとVトリガーを連発していましたね。あれを何発も食らうというのはあまり想像したくありません。試合後、飯伏が試合の記憶がないと話していましたが、そうなっても無理はないと誰もが思ったでしょう。

最後は、飯伏が膝パッドを外した状態からカミゴェを叩き込んで勝利。一度はカミゴェを食らったあとのフォールを返したケニーもここで力尽きました。

会場は大歓声と大きな拍手に包まれました。

 

ケニーのノータッチ・トペ・コンヒーロ。

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ケニーの雪崩式ドラゴンスープレックス。しかしこれは飯伏がバク宙して着地。無事エスケープする。信じられん...。

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Vトリガーが飯伏に炸裂。インパクトの音が会場に響き渡る。恐怖!

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飯伏の攻めも相当えげつない。コーナー最上段からのケニーの後頭部へフットスタンプ。死ぬだろこれ。

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フィニッシュのカミゴェ!膝パッドがないむき出しの右膝がケニーの顔面に突き刺さる...!!

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このインパクトをごらんください。常人なら即死してもおかしくないであろう威力...!しかもこの前にも一度ケニーはこれを食らってフォールを返しています。彼もやはり化物...!

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簡単に書くつもりが結構時間かかってしまいました...。これでもまだ書き足りないのですが、すでに今日の試合が始まってしまっています!!

詳細な試合内容を知りたい方はG1特設サイトからご確認ください。

www.njpw.co.jp

 

G1を制するのは棚橋か!?飯伏か!?

きっとGOLDEN STARがやってくれるはずだと信じています!目指せ神越え!

今日は新日本プロレスワールドのLIVEストリーミングで応援したいと思います。

楽しみすぎる!!!

play.google.com

 

 

 

NEW WORLD 2 新日本プロレス公式ブック (新潮ムック)

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麗しき誤解のうちに、他人の褌で勝負する - 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

 なんというか、今まで目を背けていた自分にとって不都合な真実を水も漏らさぬようなロジックをもって突きつけられた気分です。薄々は気づいていたけど、やはりそこからは逃げられないのかという気持ちになりました。

ただこれは決してネガティブな意味ではありません。学んだことを実行に移すか移さないかという自分の覚悟次第だというところまでクリアになったのは今後の自分のキャリアを考える上で非常にありがたいことだと思っています。

どこの企業も同じだと思いますが、私の会社では仕事で評価されるためのポイントとして「プレゼンス(存在感)」が重要とされています。要は私はこういう成果を出しました、こういう形で会社に貢献していますということが周囲の人間(特に評価をする上司たち)に可視化されることが大事であるということです。

そして、そのプレゼンスをあげるためには様々な方法があり、それは先輩や上司からアドバイスされるような、ある種社内の公式ナレッジとして共有されています。

例えば上司の上司とよく会話するようにして、今自分がどんなことをやっているかをコミュニケーションしておくこと。他のチームのマネージャーとからも評価してもらえるように、何か一緒にプロジェクトを回してみること....こういうことが評価のタイミングで重要になってくるのです。

そして、私はそういう活動に対しあまり積極的ではありませんでした。正直に言って苦手意識すら持っています。

「なんだかんだ言ってもしっかりとした実力をつけて優れたパフォーマンスを出していればちゃんと周りからは評価されるだろう」

そう考えていました。

 

しかし、この認識は甘い。甘すぎる。

それがちゃんと理解できただけでもこの本を読んだ価値は大きかったと思います。

 

本著で主張されていることを一言でまとめると、

『人間には誰しも無意識の「思考の錯覚」があり、それが何かを評価するときに大きな影響を与えている。であれば、その「思考の錯覚」を熟知し、うまく活用することで自分の評価をあげることにつなげようではないか』

ということです。

 

「思考の錯覚」とは行動経済学や心理学などで実証されてきた人間の認知バイアスから生まれるものです。この認知バイアスハロー効果ヒューリスティックス後知恵バイアスなどが代表的な例としてあげられます。このあたりは世界的ベストセラーになったダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』で取り上げられているのでご存知の方も多いでしょう。この認知バイアスによって、本当は正しくないことであっても正しいと思ってしまうというような「錯覚」が生まれます。

本書では、イケメンの政治家はそうでない政治家と比べて得票率が高くなる傾向があるという例があげられており、見た目の良さによって実力が実際以上に評価されるということが紹介されています。

このように、他人が抱く思考の錯覚のうち、自分にとって都合のいい思考の錯覚のことを「錯覚資産」と呼びます。

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この「錯覚資産」を活用することが自分の人生を成功に導く一番のカギであるというのが本書で一貫して語られているストーリーになります。

「錯覚資産」の多い人は、本著の定義では「実力はないが、実力があるように見せかける能力のある人」となります。

本著では「本当に実力がある人」ではなくこの「錯覚資産」の多い人の方が成功しやすいと主張していますが、その理由は下記のようなことが往々にして起こるためです。

会社は、実力タイプよりも、錯覚力タイプの方が有能だと認識するので、錯覚力タイプは、実力タイプよりも、よりよいポジションや成長のチャンスを手に入れられる。

錯覚力タイプは、エリートコースに乗り、いい先輩の丁寧な指導を受け、重要な仕事を任され、みんなに助けられ、実力アップの機会に恵まれる。

実力タイプは、数年後に廃棄が決まっている老朽化したシステムのお守りや雑用ばかりさせられ、ろくな経験を積めず、実力が伸び悩む。

結果として、数年後には、実力においても、錯覚力タイプが、実力タイプを追い抜いているのだ。....

つまり、

「錯覚資産によって、よい環境が手に入り、よい環境によって実力が育ち、実力があるからそれが成果を生み、その成果を利用してさらに錯覚資産を手に入れる」というループが回ることで、錯覚資産と実力が雪だるま式に増えていくという構造があるのだ。

詳細は本に譲るとして、「成果」に繋がる3要素である「錯覚資産」「実力」「環境」の関係を図にすると下記のようになります。

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 ここで重要なのは、成果に繋がるループのうち、実力よりも錯覚資産の方が通過点となっているループの数が多いということです。

つまり、成果を出して成長したいのであれば、「実力」よりも「錯覚資産」を増やした方が圧倒的に効率がよいということです。もしあなたが成長したいのであれば、「スキルアップそのもの」に投資するよりも「スキルアップできる環境を手に入れること」に投資する方がリターンは大きいでしょう。

 

では、どうすれば錯覚資産を増やすことができるのでしょうか?その答えはぜひ本書で確認してみてください。

 

ちなみに私は本書を読んでいるなかで、ソフトバンクグループ孫正義会長が「カンブリア宮殿」に出演した際に言った「麗しき誤解のうちに、他人の褌で勝負する」という言葉を思い出しました。

ソフトバンクは自分で何も発明していない。だが、他人の褌を借りても一つの方法だ。麗しき誤解のうちにガツンと手を組んでしまえ、です。ちっぽけでも、ちっぽけな人が集まれば、何か面白いことができる。 

これこそまさに「錯覚資産」の活用の最たる例であると感じます。現在のソフトバンクグルーブの活躍を見ると、本著の主張には強い説得力を感じます。

 

本著で成功のための秘訣を知ったあと、最後に残されたチャレンジは、どこまで徹底して実行するかだと思います。今まで実力さえつけておけば成功できると考えていた人間が、錯覚資産といういわばペテンのようなものを増やす方向にうまくピボットできるのか。各人の覚悟が問われるところだと思います。

 

 私はこれまで著者のふろむださんのことは浅学にして存じあげなかったのですが、あの尾原さんが思考の師匠と呼ぶ人であり、はてぶで記事を書けば大バズを巻き起こすスーパーαブロガーだそうです。ネットでも多くの人たちが本書をプッシュしています。

 

 

彼のブログ「分裂勘違い君劇場」とTwitterは今後しっかりフォローしていきたいと思います。

 

 

 

 

 本著で出てきた「認知バイアス」について知りたい場合、おそらく世界でもっとも読まれているであろう作品がこちら。ただし、この中で取り上げられている論文の中には再現性が疑わしいものがあるということにも注意しておくべきです。

 

行動経済学の生みの親とも言われる、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキー2人の関係と共同研究の歴史を丁寧に記述した一冊。

かくて行動経済学は生まれり

かくて行動経済学は生まれり

 

 

 私が最初に行動経済学という概念を知った本がこちら。非常に読みやすい内容で、当時大学生だった私でも理解できるような易しい表現になっています。

経済は感情で動く : はじめての行動経済学

経済は感情で動く : はじめての行動経済学

 

 

 

健康に長生きがしたい。でも、どうしたら? - 健康の結論

健康の結論

今ではあまりにも有名な、伝説とも呼ばれるスティーブ・ジョブズスタンフォード大学でのスピーチの一節にはこのようなものがあります。

No one wants to die. Even people who want to go to heaven don’t want to die to get there.  (誰でも死にたくありません。天国にいきたいと願う人であっても、そこに行くために死にたいとは思いません)

youtu.be

 

死だけでなく、病気など健康を損なうことは誰にとっても嫌なことであることは間違いありません。ただ、自身の健康を保つために十分なことをしている、できているという人はどれだけいるのでしょうか。食事の際に脂っこいものを避け、野菜を多く摂取するようにしているというようなレベルであればそれなりにいるかもしれませんが、それよりもより致命的になりかねない病気や疾患を予防するために定期的に病院で検査しているというような人は少ないでしょう。

人生100年時代が叫ばれている昨今、問題となっているのは単純な寿命ではなく健康寿命です。いわゆる寝たきりのような健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間をいかに長くするかが、我々の今後の課題になってくることは間違いありません。

ホリエモンの新刊『健康の結論』は、最低限の健康を保つため、いうなれば避けられたはずの無駄死にを予防するための手段を知るために読んでおくべき一冊と言えます。

テレビを見れば健康に関する情報番組が数多く流れ、本屋に行けばヘルシーな食事やダイエットなども含め、健康な生活に関する書籍が山積みになっています。ただ、そこで得られる情報には本当に効果があるのか疑問に思うものが少なくありません(マイナスイオンとか水素水などはその一例と言えます)。

その点、本著は「医師の側が持っている科学的根拠のある正しい情報をピックアップし、一般の人にも分かりやすく」紹介すると謳っているだけあり、それぞれ専門の医師に取材した内容が平易な言葉で説明されています。内容も予防医療普及協会の監修がしっかりとついており、その科学的信頼性についても安心できるものでしょう。

彼がピロリ菌こそが胃がんの原因であり、除菌することで予防できるという啓蒙活動を行ってきたことは有名だと思います。

一般にがんは生活習慣が大きな原因と思われているが、日本人のがんの約25%は細菌やウイルスによる感染症が原因といわれている。たとえば胃がんの場合、ピロリ菌への感染が主な原因で、検査で早期に感染がわかれば薬で除菌治療することができる。

これにより、私のまわり(私もふくめ)では健康診断の際にピロリ菌検査のオプションを選択する人が明らかに増加しました。この検査で胃がんにかかるリスクを減らせるなら当然でしょう。逆に、知らないことで予防のチャンスを失ってしまうことを考えると怖いなと思います。

本著では「心臓突然死」「脳血管疾患」「がん予防」「デンタルケア」など、どれもQoLに関する病気の予防について詳細に紹介されていますが、面白いと思ったのが「メンタル管理と自殺予防」というトピックをまっさきに扱っているところです。

病気よりもまず自殺についてのトピックを取り上げるところに、年間2万人以上が自ら死を選ぶ状況に対する著者の問題意識が感じられます。自殺予防の専門家である精神科医の松本俊彦先生の『自殺者の「死にたい」という気持ちは、裏を返せば「これほど辛くなければ生きていたい」という叫びだ』という指摘は今後も忘れずにいたいと強く思いました。

若年層においては事故死よりも自殺の方が多い状況を改善するため、自殺を選ぶ人はどのような問題を抱えている傾向があるか、「死にたい」とつぶやく人に対してどのように対応したら良いのか、本著を読むことで明確なガイドラインを知ることができます。

自殺を考える人の精神状態が平常でないことは間違いありませんが、ともすれば身体的な疾患に注目が生きがちな健康というトピックにおいてまっさきに自殺を取り上げるところに「人の命を守る」という著者の真剣さが感じられましたし、だからこそこの本は多くの人に読んでもらいたいと思いました。

ホリエモンは間違いなく現代日本におけるオピニオンリーダーの一人ではありますが、専門家と一緒に健康に関する正確な情報を広めていこうとするこのような活動は非常に価値のあるものだと思います。

ひとりでも多くの人が本書を手にとり、心身両面における健康についての知識を身につけて欲しいと思います。

 

 

 

「決算が読めるようになるノート」でおなじみのシバタナオキさんによる、スマート脳ドックの体験レポート。こんなにお手軽に脳ドックが受けられる時代になっていることに驚きです。今度健康診断のついでに受けにいこうと思っています。

 

ホリエモンの健康に関する別の著作。これによって胃がん=ピロリ菌のイメージが普及したと思います。 

むだ死にしない技術

むだ死にしない技術

 

   

放射線技師達と放射線科医達の物語。「健康の結論」では子宮頸がんについて取り上げられていますが、同じく女性がかかりやすいがんのひとつである乳がんについて扱った話があります。男性側も知っておいた方がいい内容が多いです。

 

なぜ裏社会の経済はこんなに面白いのか - 猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言

ずっと気になっていたこの本をついに買ってしまいました。

猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言

猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言

 

 

まだ途中までしか読んでいませんが、買ってよかったと思わせる内容です。チャプター1では国際金融、チャプター2ではマネーロンダリングについて書かれているのですが、まるで専門家が書いたかのような、しかもわかりやすい描写が続き思わず引き込まれます。

ベルギーに本部を置くSWIFT(国際銀行間通信協会)は加盟金融機関同士でのメッセージタイプによる通信を仲介する組織で、あらゆる国際決済はもちろん、日本と海外の銀行間送金にもこのSWIFTシステムが使用されている。

加盟する金融機関は、それぞれ個別のコードを持ち、三井住友銀行にはSMBCJPJTが、三菱UFJ銀行にはBOTKJPJTのコードが与えられている。例えるならメールアドレスで、加盟金融機関はプロバイダー役のSWIFTを介したメッセージにより、国をまたぐ送金や証券の決済を指示するのだ。

さて、日本では不的確なパナマ文書の報道が相次いだ。そもそもパナマ文書震源地はパナマではあるが、決してそこが中心地ではない。BVI(英バージン諸島) にこそモサック・フォンセカによってオペレートされた数々の不正が隠されているはずだ。

では、「パナマ文書」から何を読み解くのか ー 私が注目しているのは、CIS(クライアント・インフォメーション・シート)とSWIFTリファレンス(送金指示と資金移動履歴の詳細データ)だ。

まるで専門家と言いましたが、正真正銘の専門家による説明です(SWIFTの説明なんて、橘玲の本以来で久しぶりに目にしました)。ただし、反社会勢力の一員として最先端の金融を専門に活躍していた著者の、いわば裏社会人による経済解説とも言えるような内容になっています。

大阪の銭湯のロッカーからプライベートジェットを使った大量の現金の輸送など、カネの保管についてあらゆるスケールの手段が紹介されていたり、今の国際送金システムの説明を通じてアメリカが国際金融システムを支配できている理由が説明されていたりと、確かに正統派な経済の本には書かれていないようなトピックに焦点が当てられています。

読んでいて軽い興奮を覚えるのは、そのひとつひとつのエピソードが刺激的でスケールが大きいからなのでしょうか。

マネーロンダリングの手法として仮想通貨が使用されていたという話はいまや誰もが知っている話ではありますが、かつて橘玲が作家としてのデビュー作である「マネーロンダリング」という作品の中で描いた「割債の密輸」という方法に比べるとだいぶ洗練されたなあと感じます。

 

国際金融の世界では暴力団の看板なんて何の役にもたたない。最終的に国家には全く歯が立たないのがリアリティだ。その中でもアメリカと銀行はもっとも悪辣で強大な存在だと語る部分にはなんとも言えない説得力を感じました。これも著者が実際に体験した感じたことが余すところなく表現されているがゆえに醸し出る迫力とリアリティがあるためでしょう。

 

普段は目にすることのない、経済の別の顔を知ってみたい方には本書を読んでみると知的興奮を味わえるかもしれません。

 *ちなみに西原理恵子は本書冒頭の猫組長との対談以外では出てきません。

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マネーロンダリング (幻冬舎文庫)

 
マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)

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誰も知らない世界の本当の姿 - Factfulness & Gapminder

突然ですが、あなたは今私たちが住んでいるこの世界についてどれだけ知っているでしょうか?例えば下記のような質問にどれだけ正しく答えられるでしょう?

  • 世界全体の人間の平均寿命は?
  1. 50年
  2. 60年
  3. 70年
  • いわゆる低所得国における女子の初等教育修了率は?
  1. 20%
  2. 40%
  3. 60%
  • 世界全体で、1歳の子供が病気のワクチンを受けられている割合は?
  1. 20%
  2. 50%
  3. 80%

このような今の世界に関するシンプルな質問をされた時、その正解率は非常に低いそうです。一般人だけでなく、ジャーナリストや投資銀行で働くエリート、はてはノーベル賞受賞者に対して同様の質問をした場合でさえ、その正解率はチンパンジーがランダムに答えを選んだ時と同じレベルだそうです。

私たちはそれぞれ異なった世界の姿を思い描いています。しかし実際にはその思い射込みの多くが現実とかけ離れているのです。例えば世界の国が先進国と発展途上国に分断されているといった見方もその一つです。

それは私たちがファクト(事実)を正確に把握していないためであり、今後人類にとって本当に取り組むべき重要な問題を見つけるためには、ファクトベースで今の世界を見つめ直すことが必要です。

ということが、最近本屋で見つけて気になった『Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think』という本の中心的テーマになっています。

Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think

Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think

 

著者であるハンス・ロスリングはスウェーデンの医師で、公衆衛生学者でもありカロリンスカ研究所の国際保健学の教授も勤めていた人物です。

本著はまだ邦訳未発売なのですが、全世界で24ヶ国語に翻訳されているところだというので間もなく日本語版が本屋に並ぶことになるでしょう。

先に本書の内容がどのようなものか知りたいという場合には、こちらのTED Talkがおすすめです。

www.ted.com

この動画を見れば本書で紹介される内容がなんとなくイメージできるのではないでしょうか。この動画は少し古いので、最新のリサーチの結果なども本書に含まれてくるのではないかと思っています。このプレゼンを見れば、きっと本書もHONZなどの有名書評サイトで紹介されてヒットになるような内容だろうと予想しています。

 

ハンス・ロスリングはTEDに何度も登壇する超人気プレゼンターで、他にも多くの動画があるので気になる人はチェックしてみると良いでしょう。

また、このプレゼンで使われているダイナミックにチャートを動かせるツール『Gapminder』は公式サイトで使うことができるようになっています。

Gapminder: Unveiling the beauty of statistics for a fact based world view.

 

英語になってしまいますが、冒頭にあったクイズも受けられるので興味ある人はぜひチャレンジしてみてください。

Gapminder Test 2018

 

英語で買って今すぐ読むか日本語版を待ったほうが早いか悩みどころですが、遅かれ早かれ読むことになる一冊になるのは間違いないと思っています。

 

 

植田かもめさんによる書評がありました。より詳しく内容を知りたい方にオススメ