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夏休みの読書シリーズ(2)いまだから知っておきたい組織との付き合い方「サバイバル組織術」

夏休みの読書シリーズ第2弾は佐藤優シリーズ。

サバイバル組織術 (文春新書)

サバイバル組織術 (文春新書)

 

吉本興行やかんぽ生命のニュースが連日報道されていたタイミングでの出版は神がかり的と感じるレベルでした。というのも自分がその当事者であればどう振舞うべきか、同じようなトラブルに自分が巻き込まれたらどうすべきかを判断するのにこの上なく参考になる一冊だからです。

本書では、上司や部下との付き合い方、人事と昇進、燃え尽き症候群、組織の価値観の内面化、不測の事態が起こった時の振る舞い方など、組織の中で生きていく上でストレスがかかる重要なポイントをとりあげています。

本書がユニークなのは、そのポイントポイントで組織がどう動くか、個人はどのように動くべきなのかということを小説やドラマの作品を通じて見ていくところです。文学作品を使い現実のシミュレーションを行う形になります。他人の人生を追体験できるのが小説の優れた効用だと思います。

一点気をつけるべきことは、小説のストーリーや設定についての情報がたくさんでてくるので、作品を取り上げた理由に集中しておかないといつの間にか単なる文学作品について学びました、的なことになりかねないことです。笑

率直に言って本書を通じて明らかになる組織の行動論理は、組織の中ですでにある程度時間を過ごしてきた人であればリアリティをもって実感できるものだと思います。そして残念なことに、それらの論理はあまり個人にとっては好ましいものではありません。

組織と個人の行動論理が異なることによって生じるストレスフルな環境をサバイブするための実践的な知恵が詰まった一冊だと思います。お盆休みでいったん組織との距離をおけるこの時期にこそ読んでおくべき一冊かもしれないと感じました。

 

こちらは組織よりはもう少しトピックを扱っており、仕事とどのように向き合っていくべきかについて考える本。日本が階級社会化してきており「もはや自助努力で解決できないくらい事態は深刻」という著者の現状分析は、もっと危機感を持って受け止められるべきと思います。

佐藤優直伝!  最強の働き方

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