誰も知らない世界の本当の姿 - Factfulness & Gapminder
突然ですが、あなたは今私たちが住んでいるこの世界についてどれだけ知っているでしょうか?例えば下記のような質問にどれだけ正しく答えられるでしょう?
- 世界全体の人間の平均寿命は?
- 50年
- 60年
- 70年
- いわゆる低所得国における女子の初等教育修了率は?
- 20%
- 40%
- 60%
- 世界全体で、1歳の子供が病気のワクチンを受けられている割合は?
- 20%
- 50%
- 80%
このような今の世界に関するシンプルな質問をされた時、その正解率は非常に低いそうです。一般人だけでなく、ジャーナリストや投資銀行で働くエリート、はてはノーベル賞受賞者に対して同様の質問をした場合でさえ、その正解率はチンパンジーがランダムに答えを選んだ時と同じレベルだそうです。
私たちはそれぞれ異なった世界の姿を思い描いています。しかし実際にはその思い射込みの多くが現実とかけ離れているのです。例えば世界の国が先進国と発展途上国に分断されているといった見方もその一つです。
それは私たちがファクト(事実)を正確に把握していないためであり、今後人類にとって本当に取り組むべき重要な問題を見つけるためには、ファクトベースで今の世界を見つめ直すことが必要です。
ということが、最近本屋で見つけて気になった『Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think』という本の中心的テーマになっています。
Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think
- 作者: Hans Rosling
- 出版社/メーカー: Sceptre
- 発売日: 2018/04/03
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログを見る
著者であるハンス・ロスリングはスウェーデンの医師で、公衆衛生学者でもありカロリンスカ研究所の国際保健学の教授も勤めていた人物です。
本著はまだ邦訳未発売なのですが、全世界で24ヶ国語に翻訳されているところだというので間もなく日本語版が本屋に並ぶことになるでしょう。
先に本書の内容がどのようなものか知りたいという場合には、こちらのTED Talkがおすすめです。
この動画を見れば本書で紹介される内容がなんとなくイメージできるのではないでしょうか。この動画は少し古いので、最新のリサーチの結果なども本書に含まれてくるのではないかと思っています。このプレゼンを見れば、きっと本書もHONZなどの有名書評サイトで紹介されてヒットになるような内容だろうと予想しています。
ハンス・ロスリングはTEDに何度も登壇する超人気プレゼンターで、他にも多くの動画があるので気になる人はチェックしてみると良いでしょう。
また、このプレゼンで使われているダイナミックにチャートを動かせるツール『Gapminder』は公式サイトで使うことができるようになっています。
Gapminder: Unveiling the beauty of statistics for a fact based world view.
英語になってしまいますが、冒頭にあったクイズも受けられるので興味ある人はぜひチャレンジしてみてください。
英語で買って今すぐ読むか日本語版を待ったほうが早いか悩みどころですが、遅かれ早かれ読むことになる一冊になるのは間違いないと思っています。
植田かもめさんによる書評がありました。より詳しく内容を知りたい方にオススメ