THE戯言

Quitters never win. Winners never quit.

鮫島、永遠なれ

2018年7月3日、W杯ベルギー戦敗北のショックも冷めやらぬ中、日付が変わる直前にさらにショックなニュースが飛び込んできました。

natalie.mu

www.akitashoten.co.jp

 

あまりのショックに思わず声が出ました。

 『鮫島、最後の十五日』は『バチバチ』『バチバチBURST』に続く、バチバチシリーズの第3部で、幕内力士となった主人公・鮫島鯉太郎の(おそらく最後の)一場所十五日を書いた物語です。

 

 

幕内力士としては小柄な体格の主人公が、相撲に対する熱意と真摯さで自分よりもはるかに大きな力士に全力でぶつかっていく熱い作品です。決して相撲を取るのに恵まれているとは言えない小柄な体格で、「相撲に選ばれなかった」という思いを抱きながらもひたむきに相撲に向き合う主人公・鮫島の姿に胸を打たれます。

 

取り組みの描写はすごい迫力です

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どの取り組みに対しても自分の命を燃やすかのように全力でぶつかり、勝利しながらもボロボロになっていく主人公の姿は、力士としての寿命が短いことを明確に物語っています。魅力的なライバルたちとの熱い熱い戦いに毎回興奮しつつも、その都度確実に近づいてくる悲劇の姿が見えるという、とても複雑な魅力を持った物語です。

 

私は本当にこの作品が大好きで大好きで、毎週木曜日はこのマンガを読むことが一番の楽しみになっていたと言っても過言ではありません(マジです)。

 

現在連載中のチャンピオン本誌では、まさに14日目の大関猛虎との取り組みの真っ最中でした。猛虎は当時高校生だった鮫島と地方巡業の土俵で戦って敗れており、鮫島にとってはそれが角界に入るほぼ直接のきっかけとなるという、鮫島とはとても深い縁のある人物です。力士としても超一流で、やはり鮫島は苦戦を強いられていました。直前の回ではやっと鮫島の反撃が始まるというところで終わっており、次の展開に対する期待が高まる回でした。

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間違いなく名作と言える作品であり、それだけに本当に残念です。『バチバチ』『BURST』『鮫島』をシリーズ通して何度読み返したかわかりません。登場する全てのキャラクターが魅力に溢れ、そのストーリーからは読むたびに「自分も頑張ろう」と力をもらってきました。

 

秋田書店の公式サイトの発表によると、7月12日発売の週刊少年チャンピオン33号掲載分が最終回となるとのことです。今週木曜日分に掲載があるとするとラスト2話。こんな形で、あまりにも突然に早すぎる最終回を迎えることになるとは思いもしませんでした。本当に残念でなりません...

 

<7/13追記>

昨日読んできました。最終回。

猛虎との激戦が終わり、身体はボロボロ、意識もはっきりとしているのかどうかわからない鮫島。

何かに呼び寄せられるように動き出した先には、横綱の姿。

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「呼んだか...?」

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十四日目 泡影 - 鮫島

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最高!クライマックスへの引きとしては最高すぎる。

続きが気になって夜も眠れない。

左下の一文が突きつける残酷な事実。

もうこの物語に続きはない....

残念!残念すぎる...

 

クリエイターの皆様、激務とは思いますがくれぐれもお身体をお大事に。

 

 

佐藤タカヒロ先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。